北関東3県(茨城・栃木・群馬)は製造業の集積地として知られています。日立・SUBARU・スズキなどの大手製造業が立地し、その下請け・部品メーカーの中小企業も多数存在します。2023年のデータで、3県の中小企業賃金を比較しました。
北関東3県 企業規模別・年齢計 所定内給与額(2023年)
| 都県 | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人(中小) | 大vs中小差 |
|---|---|---|---|---|
| 茨城県 | 373.5千円 | 351.2千円 | 310.4千円 | +63.1千円 |
| 栃木県 | 383.2千円 | 360.4千円 | 322.7千円 | +60.5千円 |
| 群馬県 | 361.8千円 | 339.7千円 | 301.3千円 | +60.5千円 |
3県の比較:栃木の中小が最も高い
中小企業(10〜99人)の年齢計賃金では:
- 栃木県 322.7千円(最高)
- 茨城県 310.4千円(中位)
- 群馬県 301.3千円(最低)
栃木が最も高い背景には、自動車関連産業の集積があります。宇都宮を中心に本田技術研究所・SUBARU工場が立地し、周辺のティア1〜3の部品サプライヤー(中小企業)が一定水準の賃金を支払う構造が形成されています。
年代別の格差:中高年で差が開く
| 年齢 | 茨城大企業 | 茨城中小 | 差 | 栃木大企業 | 栃木中小 | 差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 244.6千円 | 231.8千円 | 12.8 | 248.3千円 | 235.7千円 | 12.6 |
| 40〜44歳 | 408.7千円 | 331.4千円 | 77.3 | 418.6千円 | 348.2千円 | 70.4 |
| 55〜59歳 | 431.2千円 | 337.6千円 | 93.6 | 442.7千円 | 352.3千円 | 90.4 |
若い世代では差が12〜13千円と小さいものの、40代以降で急拡大します。大企業の中小企業に対する賃金優位は、北関東でも関東都市部と同様のパターンです。
製造業中小企業の特徴:技術力が賃金を支える
北関東の中小製造業は、完全に規模だけで賃金が決まるわけではありません。特定の技術・工程を担う専門的な中小企業(金型、精密部品、溶接等)では:
- 技術者資格(溶接技術者、機械設計等)により手当が付く
- 熟練工は年功よりも技術力評価が大きい
- 仕事の安定性(大手からの長期受注)が収入安定につながる
こうした企業では中小企業でも40代で350千円以上を稼ぐケースがあります。
群馬の課題:3県で最も中小賃金が低い
群馬の中小企業(10〜99人)年齢計301.3千円は3県で最低です。SUBARU・スズキが群馬に工場を持ちますが、周辺の下請け企業の規模・賃金は栃木・茨城ほど高くない傾向があります。また、前橋・高崎を中心とした商業・サービス業の中小企業が多く、製造業ほど賃金が高くないことも影響しています。
まとめ
- 北関東3県の中小企業賃金は栃木(322.7千円)>茨城(310.4千円)>群馬(301.3千円)
- 栃木は自動車産業集積の恩恵で中小企業でも比較的高い
- 3県とも大vs中小の格差は40代以降で7〜9万円/月まで拡大
- 製造業の技術系中小は資格・熟練度で賃金が上乗せされるケースあり
出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)