日本最大の経済都市・東京都の男女賃金差は、全国比較では比較的小さい部類に入りますが、4年間の推移を見ると改善のペースはどうでしょうか。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2020〜2023年)で追います。

東京都 男女賃金の推移(年齢計・所定内給与額)

男性(千円)女性(千円)女性÷男性男女差(千円)
2020年405.5302.874.7%102.7
2021年409.1307.575.2%101.6
2022年415.8314.275.6%101.6
2023年426.8321.775.4%105.1

概ね改善——ただし2023年は差が若干拡大

2020〜2022年は女性比が74.7%→75.6%へ改善していましたが、2023年は75.4%へわずかに後退。絶対額の差は2022年の101.6千円から2023年には105.1千円へと拡大しています。

これは、2023年に東京の男性賃金が大幅に上昇(415.8→426.8千円 +11千円)した一方、女性賃金の上昇(314.2→321.7千円 +7.5千円)がやや小幅だったことによります。

2023年は多くの大手企業が大幅賃上げを実施しましたが、賃上げの恩恵は管理職・正規雇用者に手厚く、正規雇用比率・管理職比率が低い女性では上昇幅が抑制された可能性があります。

神奈川との比較

東京 女性比神奈川 女性比
2020年74.7%76.1%
2021年75.2%76.5%
2022年75.6%76.6%
2023年75.4%76.9%

神奈川の方が一貫して女性比が高い(格差が小さい)状況です。東京は高賃金の男性管理職が多く集積するため、平均値を引き上げて格差が大きく見える側面があります。

年代別の推移——若い世代では改善

年齢2020年2023年変化
20〜24歳97.2%97.7%+0.5pt
25〜29歳91.8%92.9%+1.1pt
30〜34歳83.5%84.9%+1.4pt
40〜44歳74.9%76.6%+1.7pt
55〜59歳66.8%68.5%+1.7pt

年齢別では全世代で改善。特に30〜50代で1.4〜1.7ポイントの改善が見られ、女性の活躍推進が少しずつ実を結んでいることが分かります。

今後の展望

2024年以降、東京都では育休後の職場復帰支援・女性管理職登用促進に関する施策が強化されています。また、テレワークの普及により「通勤・転勤」を前提とした男性優遇の職場文化が変わりつつあり、今後数年でより大きな改善が期待されます。

一方、ITコンサルタント・金融・法律など超高収入の男性専門職が東京に集中している限り、平均値での格差はなかなか縮まらないという構造的な問題も存在します。

まとめ

  • 東京の男女賃金比は2020〜2023年で74.7%→75.4%へ改善傾向
  • 2023年は賃上げの恩恵が男性に大きく、やや格差が拡大する場面も
  • 年齢別では全世代で改善しており、特に30〜50代で顕著
  • 神奈川は一貫して東京より格差が小さい

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2020〜2023年)