「大企業に就職した方がいい」とよく言われますが、具体的にどのくらい賃金が違うのでしょうか。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2023年)の東京都データを使って、企業規模別の賃金差を定量的に示します。
東京都 企業規模別・年齢別 所定内給与額(2023年・男女計)
| 年齢 | 1,000人以上 | 100〜999人 | 10〜99人 | 大企業vs小企業の差 |
|---|---|---|---|---|
| 年齢計 | 400.1千円 | 399.6千円 | 385.7千円 | +14.4千円 |
| 20〜24歳 | 267.3千円 | 266.2千円 | 261.5千円 | +5.8千円 |
| 25〜29歳 | 321.8千円 | 318.4千円 | 307.2千円 | +14.6千円 |
| 30〜34歳 | 362.5千円 | 355.3千円 | 338.6千円 | +23.9千円 |
| 35〜39歳 | 411.4千円 | 398.7千円 | 371.2千円 | +40.2千円 |
| 40〜44歳 | 449.6千円 | 428.3千円 | 392.4千円 | +57.2千円 |
| 45〜49歳 | 487.3千円 | 456.1千円 | 409.7千円 | +77.6千円 |
| 50〜54歳 | 512.8千円 | 477.9千円 | 421.3千円 | +91.5千円 |
| 55〜59歳 | 531.6千円 | 497.2千円 | 428.4千円 | +103.2千円 |
※出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年) 東京都・男女計・産業計
若いうちの差は小さく、40代以降で急拡大
20〜24歳では大企業(1,000人以上)と小企業(10〜99人)の差はわずか5.8千円。しかし年齢が上がるにつれて差は拡大し、40〜44歳で57.2千円、50〜54歳では91.5千円、55〜59歳では103.2千円の差になります。
55〜59歳の月収差は約10.3万円、年換算で約124万円にもなります。
生涯賃金への影響を試算
22歳から60歳まで(38年間)、大企業と小企業で賃金差が生じると仮定して生涯賃金差を概算します(賞与は考慮せず、所定内給与のみ):
| 年代 | 大企業月収 | 小企業月収 | 月差 | 10年間累積差 |
|---|---|---|---|---|
| 20代(22〜29歳) | 約29万円 | 約28万円 | 約1万円 | 約120万円 |
| 30代 | 約38万円 | 約35万円 | 約3万円 | 約360万円 |
| 40代 | 約46万円 | 約40万円 | 約6万円 | 約720万円 |
| 50代 | 約51万円 | 約42万円 | 約9万円 | 約1,080万円 |
所定内給与のみで約2,280万円の格差が生じる計算です。賞与(大企業の方が高率)も加えると、生涯賃金差は3,000〜4,000万円規模になり得ます。
東京の特殊性:大企業でも中規模でも高い
東京都の特徴として、100〜999人規模の企業でも高い賃金水準を維持しています。40〜44歳で428.3千円(約43万円)は、他の地方都市の大企業に匹敵する水準です。東京に中小企業として分類されていても、専門性・スキルが評価される業種(IT、コンサルタント、クリエイティブ等)では高水準の賃金が得られます。
「小企業でも稼げる」業種・職種とは
全ての中小企業が低賃金なわけではありません。東京の小企業(10〜99人)で高賃金を実現しやすいのは:
- ITスタートアップ・ベンチャー:スキル評価型の給与体系
- 専門コンサルタント:案件報酬型で規模に関係なく高収入も
- 医療・法律・会計専門職:資格があれば小規模事務所でも高い
- クリエイティブ・広告:実績評価型で規模より個人スキル重視
まとめ
- 東京都の大企業(1000人以上)と小企業(10〜99人)の賃金差は20代では小さいが40代以降で急拡大
- 55〜59歳での月収差は約10.3万円・年124万円
- 生涯賃金(所定内のみ)では約2,280万円の差(賞与含めると3,000〜4,000万円規模)
- ただし東京では中規模企業も高水準で、スタートアップ・専門職は例外も多い
出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)