男女の賃金格差は全国的な課題ですが、都道府県によってその大きさは異なります。関東7都県のデータ(厚生労働省 賃金構造基本統計調査2023年)を使って、男女賃金比(女性の賃金÷男性の賃金)をランキング化しました。
関東7都県 男女賃金比ランキング(2023年・年齢計)
| 順位 | 都県 | 男性(千円) | 女性(千円) | 女性÷男性 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 茨城県 | 365.9 | 272.2 | 74.4% |
| 2位 | 栃木県 | 375.3 | 285.5 | 76.1% |
| 3位 | 群馬県 | 347.5 | 260.3 | 74.9% |
| 4位 | 千葉県 | 363.1 | 278.3 | 76.7% |
| 5位 | 埼玉県 | 372.5 | 284.3 | 76.3% |
| 6位 | 神奈川県 | 408.5 | 314.4 | 76.9% |
| 7位 | 東京都 | 426.8 | 321.7 | 75.4% |
※出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)男性cat01=02、女性cat01=03、年齢計・産業計・企業規模計
注:比率だけで見ると格差の「大きさ」は分かりますが、絶対額の差も重要です。女性比が高くても絶対額が低い場合、実質的な生活水準は厳しくなります。
女性比が高い=格差が小さい?——絶対額も見る
ランキングだけでは見えにくい点として、絶対額での差があります。
| 都県 | 男女差(千円/月) | 年換算差(万円) |
|---|---|---|
| 東京都 | 105.1 | 約126万円 |
| 神奈川県 | 94.1 | 約113万円 |
| 栃木県 | 89.8 | 約108万円 |
| 埼玉県 | 88.2 | 約106万円 |
| 千葉県 | 84.8 | 約102万円 |
| 茨城県 | 93.7 | 約112万円 |
| 群馬県 | 87.2 | 約105万円 |
東京都は女性比が75.4%と中位ですが、絶対額の差は月10.5万円・年126万円と最大です。一方、千葉県は女性比76.7%で格差は相対的に小さく、絶対額の差も月8.5万円と最少水準です。
北関東3県の特徴
茨城・栃木・群馬の北関東3県は、製造業が集積する地域です。製造現場では男女とも同じライン作業・技術職に就くケースが多く、賃金の性別差が生じにくい構造があります。
一方、東京・神奈川では管理職・専門職の比率が高く、これらのポジションは現在も男性が多数を占めているため、年齢が上がるとともに格差が拡大しやすい傾向があります。
年代別で見ると——20代は全都県で差が小さい
| 年齢 | 東京都 | 神奈川県 | 埼玉県 | 千葉県 |
|---|---|---|---|---|
| 20〜24歳 | 97.7% | 97.3% | 96.8% | 97.1% |
| 30〜34歳 | 84.9% | 83.2% | 82.5% | 83.9% |
| 40〜44歳 | 76.6% | 75.1% | 74.8% | 75.6% |
| 55〜59歳 | 68.5% | 67.2% | 66.1% | 67.8% |
20代ではどの都県も95%以上と差は小さく、「最初から格差がある」わけではないことが分かります。30代以降に職種・役職・就業形態の差が賃金に反映されていきます。
まとめ
- 関東7都県の男女賃金比は74〜77%の範囲(全国平均は約70〜73%)
- 千葉・神奈川は相対的に格差が小さく、北関東3県は製造業の影響で中位
- 絶対額の差は東京が最大(年126万円)、千葉が最小(年102万円)
- 20代の格差はほぼどの都県も95%以上と小さく、30代以降に急拡大
出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査(2023年)