この記事でわかること

神奈川県の男女差は20〜24歳では月5,600円ですが、40〜44歳で10万1,400円、55〜59歳では14万9,500円に広がります。若手の入口でほぼ並んでいても、昇進・勤続・働き続け方の差が20年以上かけて積み上がる構造が見えます。

神奈川県 年齢別・男女別 所定内給与額(2023年・産業計・企業規模計)

年齢階級男性(円)女性(円)差(男−女)女性÷男性
20〜24歳238,500232,9005,60097.7%
25〜29歳276,800257,50019,30093.0%
30〜34歳318,500282,10036,40088.6%
35〜39歳359,500291,60067,90081.1%
40〜44歳408,500307,100101,40075.2%
45〜49歳424,700311,800112,90073.4%
50〜54歳452,700303,600149,10067.1%
55〜59歳465,300315,800149,50067.9%
20〜24歳 97.7% 女性÷男性
25〜29歳 93.0% 女性÷男性
30〜34歳 88.6% 女性÷男性

女性比97.7%から60%台へ下がる給与カーブ

20〜24歳は女性が男性の97.7%で、差は5,600円です。25〜29歳は93.0%、30〜34歳は88.6%と、30代前半までは段階的な低下にとどまります。

ところが40〜44歳では女性比75.2%、50〜54歳では67.1%です。月額差は40代前半で10万円を超え、50代後半には14万9,500円となります。問題の中心は初任給ではなく、30代以降に誰が管理職・高賃金職へ進み、誰が就業時間や職種を変えるかです。

大企業集積だけでは格差が縮まらない理由

地域背景の読み解き

横浜・川崎・厚木には日産自動車、富士通、NEC、ソニーなど大企業の技術職が集まりますが、製造・研究開発や管理職は男性比率が高くなりやすい分野です。一方、女性の就業が多い医療・福祉、サービス、事務職では給与レンジや管理職比率が異なります。産業と職位の偏りが、年齢を重ねるほど平均差へ表れます。

また30〜40代は出産・育児と昇進時期が重なります。横浜・川崎から都心へ長時間通勤する世帯では、保育や家事との両立のため、片方が短時間勤務・非正規・勤務地変更を選ぶこともあります。若手で小さかった差が中年期に急拡大するのは、賃金制度だけでなく、家庭内の働き方の分担まで反映した結果と考えられます。

読み取りの注意点

読む前の注意

この統計は産業計・企業規模計の所定内給与額です。職種、役職、勤続年数、雇用形態、労働時間の違いはこの表だけでは分かりません。また、賞与や時間外手当は含まれていないため、年収全体の比較ではありません。

そのため、ここで確認できるのは「2023年の神奈川県の公表値では、年齢が上がるにつれて男女差が広がる」という点です。背景要因を検討する際は、職種別や雇用形態別のデータも併せて見る必要があります。

まとめ|神奈川の男女差は採用時より30代以降が本丸

この記事の結論

神奈川県では若手の給与差は小さい一方、30代以降の昇進・職種・勤続の違いによって格差が拡大します。 20代の数字だけで「格差は解消した」と判断できず、管理職登用と育児期の就業継続を同時に見る必要があります。

  • 20〜24歳の差は5,600円、女性比97.7%
  • 40〜44歳で差が10万円を超える
  • 55〜59歳の差は14万9,500円
  • 課題は初任給より、30代以降のキャリア継続と管理職登用

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2023年)」


📊 分析ノート

  • 使用統計:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(統計表ID:0003426933、e-Statで見る
  • 対象地域:神奈川県
  • 対象年:2023年
  • データ取得日:2026年6月6日
  • 注意点:本文では公表統計の数値を中心に整理しています。背景要因の解釈には、職種構成・役職構成・雇用形態など本文外の要素も関わるため、統計表から直接確認できる数値と解釈は分けて読む必要があります。

※ グラフ・表の数値は上記統計データをもとに独自に集計・可視化したものです。