2020〜2023年に東京との賃金比率が改善したのは栃木+1.9ポイント、埼玉+0.9、茨城+0.6です。一方、千葉は-3.6、神奈川は-1.3ポイントで差が広がりました。「関東全体で格差縮小」と一括りにはできません。
関東7都県 対東京賃金比率(年齢計・男女計)
| 都県 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 100% | 100% | 100% | 100% | — |
| 神奈川県 | 98.0% | 97.8% | 97.3% | 96.7% | -1.3pt |
| 千葉県 | 88.6% | 88.5% | 88.5% | 85.0% | -3.6pt |
| 埼玉県 | 86.6% | 86.5% | 86.4% | 87.5% | +0.9pt |
| 茨城県 | 85.2% | 85.3% | 85.9% | 85.8% | +0.6pt |
| 栃木県 | 87.6% | 88.0% | 88.7% | 89.5% | +1.9pt |
| 群馬県 | 82.7% | 82.6% | 83.2% | 82.2% | -0.5pt |
栃木は接近、千葉・神奈川は後退
2023年の対東京比は栃木89.5%、埼玉87.5%、神奈川96.7%、茨城85.8%、千葉85.0%、群馬82.2%です。神奈川は水準が最も近い一方、4年間では比率が下がりました。
改善幅が最大の栃木は2020年87.6%から89.5%へ上昇しました。千葉は88.6%から85.0%へ下がり、4年間の方向は都県ごとに分かれます。
製造業の伸びと東京の本社賃金が地域ごとに違う速度で動く
栃木はホンダ・日産・キヤノンなど大手製造業、埼玉は製造・物流、茨城はつくば・日立・鹿島の産業集積が賃金を支えます。これらの構成変化が東京を上回る伸びにつながりました。
東京も本社・金融・ITの高賃金職が伸びるため、周辺県の賃金が上がっても比率が改善するとは限りません。千葉は北西部・成田・湾岸・房総を平均する内部差も大きく、県平均だけで原因を一つに決めることはできません。
読み取りの注意点
所定内給与額は賞与や時間外手当を含みません。また、産業構成・企業規模構成・職種構成の違いまではこの表だけでは分かりません。
本文では公表統計の数値を中心に整理しています。統計表から直接確認できる数値と、背景要因の解釈は分けて読む必要があります。
まとめ|関東の賃金格差は縮小県と拡大県に分かれた
2020〜2023年は栃木・埼玉・茨城が東京へ接近し、千葉・神奈川・群馬は相対的に後退しました。 関東全体の格差が一方向に動いたのではありません。
- 栃木+1.9ポイントで最大改善
- 埼玉+0.9、茨城+0.6ポイント
- 神奈川-1.3、千葉-3.6ポイント
- 比率変化は同一人物の昇給差ではなく労働市場構成も含む
出典:記事末尾の「分析ノート」に記載した公表統計
📊 分析ノート
本記事は以下の統計データをもとに作成しています。
- 使用統計:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(統計表ID:0003426933、e-Statで見る)
- 対象地域:関東
- 対象年:2020年・2023年
- データ取得日:2026年6月6日
※ グラフ・表の数値は上記統計データをもとに独自に集計・可視化したものです。
- 注意点:本文では公表統計の数値を中心に整理しています。産業構成・企業規模構成・職種構成など本文外の要素もあるため、統計表から直接確認できる数値と解釈は分けて読む必要があります。
※ 表の数値は上記統計データをもとに整理したものです。